いわずと知れた洋食の名店。
名物メンチカツだけでなく、シチュー、グラタン、サンドイッチ類、オムライスなどご飯もの、ナポリタンに至るまで、すべてが古きよき洋食店の丁寧な仕事が光っている。
「カツサンド」千五百円もその一つ。
こんがりと狐色に香ばしくトーストされたパンに挟まれたカツサンドは、カツの両面にキャベツを配して、両面を焼いたパンで挟んである。
パンは薄く、サクッと歯が音を立てると、すぐさまカツの肉汁が口にあふれだす。
ソースの味が立つ事なく、パンも密着して、出来立てでも一体感のある調和ぶりが見事。
サンドイッチのパンは中の具をおいしく食べさせるための包み紙の役目であるという基本を改めて見直す逸品。
カツサンドのおいしさはなにかということを知り尽くした、丁寧な仕事が光る料理である。